伝わる見せ方
商用利用できるフリー写真素材サイトの選び方|規約の見方と日本人素材
杏さん(パティシエ)
杏さんです。今日は無料で使える写真素材の選び方を、一つずつ棚に分けて見ていきましょう。
無料の写真素材はサイトの数が多く、どれを使えばよいのか迷います。ただ、迷いの原因は数そのものより、判断の物差しが決まっていないことにあります。ここでは、使う場所から候補を絞り、規約のどこを読むかを決める順に整理します。なお各サイトの条件は改定されるため、この記事では確認の手順を示し、現行の条件は利用前に原文で確かめる前提とします。
探す写真と使用場所を決める
同じ「無料の写真」でも、置く場所によって必要な条件が変わります。まず自分の用途をはっきりさせます。
記事の説明写真
記事の中で内容を補う写真は、雰囲気が合っていれば足りることが多く、条件も比較的ゆるやかです。ただし、それが規約上の「商用利用」に当たるかどうかは、サイトが自分の収益に関わるかで変わります。広告や紹介リンクを置いているなら、商用利用として扱われる前提で選ぶのが安全です。
店舗・仕事のイメージ
店舗や仕事の案内に使う写真は、そのまま看板になります。実際の店や商品ではない写真を、自分の店の様子と受け取られる形で使うのは避けます。人物写真を、その人が店や商品を勧めているように見える形で使うことも、規約で制限されているのが一般的です。
背景・見出し・共有画像
背景に敷く写真や、リンクを共有したときに出る画像は、文字を重ねたり切り取ったりして使うことになります。この加工がどこまで認められるかは、サイトによって扱いが分かれる部分です。加工する前提で使うなら、加工に関する条項を先に読んでおきます。
候補を見比べる物差しを決める
候補を増やす前に、全部を同じ軸で見られるようにします。物差しがそろうと、比較は短時間で終わります。
同じ検索語で探す
探しやすさを比べるときは、同じ言葉で検索します。国内向けのサイトは日本語、海外のサイトは英語のほうが結果が多くなる傾向があるため、両方の言語で試すと実力が見えます。1語では差が出にくいので、用途に近い言葉を2つか3つ用意して試します。
同じ用途の写真で試す
「カフェの内観」「机の上のノートパソコン」のように、自分が実際に必要とする題材で探します。総登録点数の多さより、自分の題材が見つかるかどうかが判断材料です。規模の大きいサイトでも、必要な題材だけ薄いことはよくあります。
規約と確認日を控える
使うと決めたら、素材のページに書かれた条件と、サイト全体の利用規約の両方を控えます。あわせて確認した日付も残します。条件は改定されるため、いつの規約で使い始めたかが分かると、あとから見直すときに助かります。
素材サイトの類型と向き不向き
個々のサイトを名指しで並べるより、類型で押さえるほうが長持ちします。条件は変わっても、類型ごとの傾向はそう大きくは変わらないためです。
| 類型 | 日本人・国内の素材 | 使う前に特に見る項目 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 国内・会員登録型(写真AC など) | 見つかりやすい傾向 | 会員登録の要否、無料での取得回数、素材ごとの追加条件 | 日本人や国内の生活・仕事の写真が要る人 |
| 国内・登録不要型(ぱくたそ など) | 見つかりやすい傾向 | クレジット表記の要否、人物写真の使い方の制限 | 今すぐ1枚ほしい人、登録を増やしたくない人 |
| 海外・大規模型(Unsplash・Pexels・Pixabay など) | 探しにくい場面がある | 規約の版、素材ごとのライセンス表示、人物や商標の扱い | 抽象的な雰囲気の写真や風景を広く探したい人 |
| 有料ストック | 条件つきで充実 | 用途別のライセンス区分、使える点数と期間 | 広告や印刷物など、責任の範囲を明確にしたい人 |
表にあるのはあくまで類型ごとの傾向で、同じ類型でも各サイトの条件は異なります。登録の要否や配布のしかたも運営方針の変更で変わるため、挙げた名前は探し始めの目印として扱ってください。素材ごとに条件が分かれていることもあるため、最終的な判断は必ず規約の原文で行ってください。
写真の探しやすさを比べる
候補が絞れたら、実際の探しやすさを見ます。ここが日々の作業時間に直結します。
日本人・店舗・仕事の写真
日本の読者に向けた記事では、写っている人や風景の雰囲気が合っているかが効きます。海外の大規模サイトは点数が多い一方、日本の生活や職場の場面は見つけにくいことがあります。国内向けのサイトと併用すると、探す時間を減らせます。
縦横比と絞り込み
必要な形で絞り込めるかを見ます。共有用の画像は横長、一覧に並ぶ画像は正方形に近い形が求められることが多く、形で絞れないと候補選びに時間がかかります。色や向きで絞れるかどうかも、使い込むと差が出る点です。
類似写真とシリーズ
同じ被写体、同じ雰囲気の写真が続けて手に入るかは、記事が増えるほど効いてきます。同じ撮影の連番や、関連する写真をたどれる仕組みがあると、サイト全体の見た目をそろえやすくなります。1枚だけ良くても、次が続かないと統一感は崩れます。
取得できる画質と形式
使えるかどうかは、写真の中身だけでなく、手に入るファイルの条件でも決まります。
解像度
記事の中に置くだけなら大きな解像度は要りませんが、切り取って使うと必要な幅は一気に上がります。横長の写真から正方形を切り出すような使い方をするなら、余裕のある大きさで取得しておきます。無料で取得できる最大の大きさは、サイトによって差が出やすい部分です。
ファイル形式
配布されるのは写真向けの形式が中心です。背景が透明なイラストやアイコンとは扱いが違うため、写真を切り抜いて使うなら自分で加工する前提になります。その加工が規約上どこまで許されるかを、あわせて確認します。
会員登録と取得回数
登録なしですぐ取得できるか、会員登録が要るか、一定期間あたりの取得数に上限があるかは、作業の進み方に直結します。急ぎで1枚ほしいときと、まとめて何枚もそろえたいときとでは、向くサイトが変わります。
写真特有の規約を確認する
どのサイトでもまず見るのは、商用利用が認められているかと、クレジット表記が要るかの2点です。写真ではさらに、写っているものに別の権利や事情が関わります。ここは特に丁寧に見ます。
人物とモデルリリース
人物が写った写真では、写っている人から使用の同意が取れているか(モデルリリース)が論点になります。同意の有無や認められる使い方の範囲は、素材ごとに異なることがあります。人の印象を損ねる文脈や、推薦しているように見える使い方は、一般に制限されています。
建物・商品・商標
建物、商品のパッケージ、ロゴが写り込んだ写真は、写真そのものの権利とは別の事情が関わることがあります。とくに商品やロゴが判別できる写真を宣伝の文脈で使うときは、慎重に判断します。判断がつかないときは、写り込みのない写真を選ぶのが早道です。
加工・広告・商品化
規約では、加工の可否、広告での使用、グッズなどへの商品化が、別々の条項に分かれていることがあります。記事に貼るのはよいが商品には使えない、といった線引きは珍しくありません。自分の使い方がどの条項に当たるかを、先に見つけておきます。
用途別に候補を選ぶ
ここまでの軸をもとに、用途ごとの向き先を短くまとめます。
日本人や国内の職場・生活の写真が要るなら、国内向けのサイトが第一候補です。読者に近い雰囲気の写真が見つかりやすく、探す時間が短く済みます。
登録を増やしたくない、今すぐ1枚だけほしいという場合は、登録なしで取得できるサイトが向きます。ただし表記の条件が付くことがあるため、そこだけは確認してから使います。
抽象的な雰囲気の写真や海外の風景を広く探すなら、海外の大規模サイトが向きます。点数の多さが強みですが、日本の場面を探すには物足りない場面があります。
広告や印刷物など、あとから責任を問われうる場面で使うなら、有料のストックサービスが向きます。費用はかかりますが、用途ごとに使える範囲が明示されている点が利点です。
無料写真で足りない場合
無料の素材には、無料であるがゆえの弱点があります。分かったうえで使うと、後悔が減ります。
まず、人気のある写真は他のサイトでも使われます。多くの人が選ぶ写真は読者にとって見覚えのある画になり、独自性は出せません。看板になる場所ほど、自分で撮った写真や有料素材のほうが向いています。
次に、条件がいつまでも同じとは限りません。方針の変更や配布の終了で、使い続けられなくなることがあります。取得した素材と、取得日・そのときの条件を手元に控えておくと、見直しのときに慌てずに済みます。
そして、判断の責任は使う側に残ります。無料であることは、どんな使い方でもよいという意味ではありません。用途が広告や商品に近づくほど、有料素材や自分で撮る選択肢を含めて検討する価値が出てきます。
まとめ
無料の写真素材は、サイト名ではなく、使う場所と規約の4項目で選べました。商用利用・クレジット表記・加工・人物の扱いを確認し、日本人素材が要るかどうかで候補の類型を絞ります。条件は改定されるため、利用のたびに原文を確認してください。写真以外も含めた素材全般の選び方は、フリー素材サイトの記事で扱います。
よくある質問
- 「フリー素材」と書いてあれば、そのまま商用利用してよいですか。
- 「フリー」は無料という意味で使われることが多く、どんな使い方でもよいという意味とは限りません。同じサイトでも素材ごとに条件が違うことや、商用の場面だけ別の条項が用意されていることがあります。素材のページと利用規約の両方を見て、自分の使い方が当てはまるかを確認してください。
- 人物が写った写真は、ブログで使っても大丈夫ですか。
- 人物写真には、別の条件が付いていることがあります。写っている人の印象を損ねる文脈での使用や、その人が商品やお店を勧めているように見える使い方は、規約で制限されているのが一般的です。判断に迷う使い方は避け、規約の原文を確認したうえで使ってください。