サイトの基盤
レンタルサーバー比較|個人サイトの条件で候補を絞る判断軸
リコさん(バリスタ)
リコさんです。今日は「どのサーバーを選ぶか」を、一つずつ棚に分けて見ていきましょう。
サーバー選びで迷うのは、候補が多いからではなく、比べる物差しが決まっていないからです。個人サイトなら見るべき軸は多くありません。軸を先に決めて、そのうえで主要サービスを横並びに置くと、候補は自然に絞れます。
個人サイトで見る四つの判断軸
すべての項目を比べる必要はありません。個人で運営する前提なら、次の四つで大きく外しません。
続けたときの年間総額
月額の表示は、契約期間やキャンペーンで大きく変わります。初回だけ安い金額ではなく、更新後まで含めた年間総額に直して比べます。ドメイン費用も別にかかるため、合算して考えると実際の負担が見えます。料金の読み方は、料金の仕組みの記事で詳しく扱います。
WordPressを始めるまでの手数
申し込みからサイトが表示されるまでに必要な作業の数は、会社によって違います。申し込みと同時にWordPressを設置できる仕組みがあると、最初の山を越えやすくなります。自分で一から設定する時間と自信があるかで、この軸の重みは変わります。
混雑したときの粘り
共用サーバーは、一台を複数の利用者で分け合う仕組みです。低価格帯ほど割り当てが小さく、訪問が集中したときに表示が遅くなりやすくなります。今のアクセス数ではなく、増えたときにどうなるかで見ておく項目です。
失敗したときに戻せるか
設定を触って表示が崩れたり、データを消してしまったときに戻せるかどうかは、安心感を大きく左右します。自動でデータを保管する仕組みが標準で付くか、復元に追加費用がかかるかを確認します。価格の比較より先に見ておきたい部分です。
比べる前に決めておく自分の条件
同じ表を見ても、条件が違えば答えは変わります。先に自分の前提を三つ決めます。
サイトの数と種類
作るのが1サイトなのか、将来複数になるのかで、必要な条件が変わります。文章中心なのか、画像や動画を多く置くのかも効いてきます。ここが決まると、必要な容量と性能の当たりがつきます。
かけられる費用の上限
月にいくらまでなら続けられるかを、先に数字で決めます。上限が決まれば、そもそも候補から外れるサービスが出てきます。年額に直したときの負担で考えるのが現実的です。
手をかけられる時間
設定を調べる時間を取れるかどうかで、向くサービスが変わります。時間をかけられるなら自由度の高いサービスが生き、取れないなら手数の少ないサービスが合います。費用と手間は、どちらかを選ぶ関係になりがちです。
主要サービスの比較表
代表的な候補を、同じ軸で並べます。金額は各社の公表値をもとにした水準の目安で、契約期間やキャンペーンによって変わります。契約前には公式サイトで最新の金額と条件を確認してください。
| サービス | 費用の水準(公表値の目安) | 力を入れている方向 | 一言サマリ |
|---|---|---|---|
| エックスサーバー | 月1,000円前後 | 安定運用と情報の多さ | 長く続ける前提で迷いたくない人向け |
| ConoHa WING | 月数百円台 | 表示速度と申し込みの手軽さ | 数年続ける前提で始めたい人向け |
| ロリポップ | 月200円台〜数百円台 | 価格帯の幅の広さ | 予算を先に決めて選びたい人向け |
| さくらのレンタルサーバ | 月100円台〜 | 低価格帯からの選びやすさ | 小さく始めて様子を見たい人向け |
表に出ない部分は、管理画面の分かりやすさや、つまずいたときに情報を見つけられるかどうかです。数値で比べられる項目と、使ってみないと分からない項目は分けて考えます。仕様表の数値の読み方は、スペックの見方の記事で扱います。
各社の位置づけと弱点
同じ共用サーバーでも、力を入れている方向が違います。良い点と弱い点を対で見ます。
エックスサーバー
個人向けの共用サーバーとして長く提供され、利用者が多いぶん、設定でつまずいたときに情報を見つけやすいのが利点です。長く運用して自分で調べながら進めたい人に向きます。弱点は価格で、最安を狙う段階では割高になります。
ConoHa WING
表示速度と、申し込みからサイト設置までの手軽さを打ち出しています。数年続ける前提で、最初の設定でつまずきたくない人に向きます。弱点は料金設計で、長期契約を前提にした金額のため、続けるか未定の段階では割高になりやすい点です。
ロリポップ
価格帯の幅が広く、支出を抑えて小さく始めたい人に向きます。下位プランと上位プランでは想定されている使い方が違うため、プラン単位で見るのが前提です。弱点は、低価格帯ほど機能が絞られ、混雑時の表示が条件に左右されやすいことです。
さくらのレンタルサーバ
長く提供されている老舗で、低価格帯から選べる点が入りやすさにつながります。まず持ってみたい、置き場所として使いたいという段階に向きます。弱点は、下位プランでは用途が限られるため、WordPressで育てる前提なら上位の構成を見る必要があることです。
そのほかの候補
このほかにも、速度を打ち出すサービスや、上位帯に寄せたサービスがあります。ただし候補を増やすほど決めにくくなるため、まず四つの軸で2〜3社に絞り、そのうえで詳しく見るのが現実的です。個別の詳しい内容は、各サービスの記事で扱います。
条件別に候補を絞る
自分の状況に近いものを選んでください。ここで挙げるのは絞り方であって、順位ではありません。
初めての1サイトを作る
手数の少なさと、戻せる仕組みを優先します。設定でつまずいたときに調べられることも大切なので、利用者の多いサービスが安心です。費用に余裕があるなら情報量の多い候補、抑えたいなら中位の価格帯から選びます。
月額をできるだけ抑えたい
低価格帯から選び、まず公開することを優先します。ページ数が少なく更新頻度も低いなら、下位プランで足りることが多くあります。後からプランを上げられるかを確認しておけば、最初の選択を重く考えずに済みます。
複数サイトを管理したい
一つの契約で置けるサイト数と、容量の上限を確認します。数が増えるほど、管理画面の分かりやすさが効いてきます。サイトごとに契約を分けるより、まとめたほうが管理も費用も落ち着くことが多くなります。
移転先を探している
今の不満が費用なのか、速度なのか、サポートなのかをはっきりさせてから選びます。移転の手段が用意されているか、停止時間をどれだけ短くできるかも確認します。作業の手順そのものは、引っ越しの記事で扱います。
比較表で見落としやすい点
表を見るときに、誤解しやすい部分をまとめます。
最安値は条件付きのことが多い
広告に出る最安の金額は、長期契約や特定のキャンペーン時のものであることがよくあります。自分が選ぶ契約期間での金額を見ないと、比較がずれます。更新後の金額まで含めて確認するのが確実です。
速度の比較は条件で変わる
表示速度はサーバーだけで決まりません。画像の重さ、テーマ、プラグインの数によって、同じサーバーでも結果は変わります。速さを求めて乗り換えても、サイト側が重いままなら体感は変わらないことがあります。
「無料」の範囲を確認する
ドメインが無料になる特典は、契約を続けている間の条件がついていることがあります。バックアップも、保管は無料でも復元が有料の場合があります。無料と書かれている項目ほど、条件を読んでおきます。
まとめ
サーバー選びは、順位ではなく四つの軸で絞る作業でした。年間総額、始めるまでの手数、混雑への強さ、戻せる仕組みを決めれば、候補は2〜3社になります。そこまで絞ったら、公式サイトで最新の金額と条件を確認して決めてください。
よくある質問
- 結局どこを選べばよいですか。
- 用途によって変わります。長く運用しながら自分で調べて進めたいならエックスサーバー、速さと申し込みの手軽さを重視するならConoHa WING、支出を抑えたいならロリポップやさくらのレンタルサーバが候補になります。この記事では順位は付けず、条件ごとの向き不向きで示しています。
- 安いサーバーを選ぶと後悔しますか。
- 用途に足りていれば問題ありません。後悔しやすいのは、アクセスが増える前提なのに余裕のないプランを選んだ場合と、失敗したときに戻せる仕組みを確認しないまま契約した場合です。プランは後から上げられることが多いため、小さく始めて様子を見る進め方も現実的です。