WordPressで作る
WordPressテーマは無料で十分?有料との違いと分かれ目
リコさん(バリスタ)
リコさんです。今日は「お金を出すと何が変わるのか」を、一つずつ棚に分けて見ていきましょう。
無料テーマでもサイトは作れます。それでも有料テーマが選ばれているのは、機能の有無だけが理由ではありません。何が変わって何が変わらないのかを分けて見ると、自分にとって必要かどうかが判断できます。
無料と有料で実際に変わるもの
まず、価格差の中身を分解します。ここを曖昧にしたまま比べると、どちらを選んでも納得できません。
初期費用
無料テーマは費用がかかりません。有料テーマは、一度きりの支払いか年ごとの支払いで費用が発生します。買い切り型の製品では1〜2万円台の水準が見られますが、金額と条件は変わるため、購入前に公式サイトで最新の内容を確認してください。
設定にかかる時間
ここが最も差が出る部分です。有料テーマの多くは、整ったデザインが最初から入っており、公開できる見た目に届くまでが短くなります。無料テーマでも同じ見た目を目指せますが、自分で調整する時間が必要になります。有料テーマは「機能を買う」よりも「時間を買う」という性格が強いものです。
デザインと機能
有料テーマには、記事を書きやすくする独自の部品や、トップページを組み立てる仕組みが用意されていることが多くあります。ただし、無料テーマにも多機能なものがあり、機能の有無だけで線を引くことはできません。無料テーマのCocoonは、公式サイトで多数のスキンや記事装飾の機能を備えていることが公表されています。
サポートと更新
有料テーマには、購入者が質問できる場が用意されている場合があります。無料テーマでも、利用者の多いものには質問できる場や解説記事が豊富にあります。むしろ確認すべきは価格ではなく、更新が続いているかどうかです。更新が止まったテーマは、有料でも無料でも同じように使い続けにくくなります。
利用できる範囲
無料テーマは、複数のサイトで使っても制限がないことがほとんどです。有料テーマは製品ごとに条件が分かれ、1サイトごとに購入が必要なものと、制限なく使えるものがあります。買い切り型のSWELLは、公式サイトで100%GPLのテーマであり、サイトごとのライセンス制限はないと公表されています。将来サイトを増やす予定があるなら、購入前にこの条件を確認してください。
無料と有料の比較表
観点ごとに整理します。同じ区分の中にも幅があるため、傾向としてご覧ください。
| 観点 | 無料テーマ | 有料テーマ |
|---|---|---|
| 費用 | かからない | 数千円〜2万円台、または年額 |
| 公開できる見た目までの時間 | 自分で調整する時間が必要 | 短く済むことが多い |
| デザインの完成度 | 素朴なものから高機能なものまで幅がある | 整ったものが多い |
| 記事の装飾機能 | 製品による(充実したものもある) | 独自の部品が用意されていることが多い |
| 質問できる場 | 利用者コミュニティが中心 | 購入者向けの窓口がある場合がある |
| 更新の継続 | 製品による(必ず確認) | 製品による(必ず確認) |
| 乗り換えやすさ | 独自機能が少ないほど高い | 独自機能に頼るほど低くなる |
| 複数サイトでの利用 | 制限がないことが多い | ライセンス条件を要確認 |
表を通して見ると、価格で決まる項目は多くないことが分かります。差が明確に出るのは「時間」の行です。
無料で十分なケース
次の条件に当てはまるなら、無料テーマで始めて問題ありません。
まだ続けられるか分からない段階なら、費用をかけずに始めるのが合理的です。書いてみて合わなければやめられますし、続くと分かってから有料を検討しても遅くありません。
文章が主役のサイトなら、凝った見た目より読みやすさが効きます。無料テーマでも読みやすい設計のものはあり、そこに費用を足す必要性は高くありません。
調整する時間を取れるなら、無料テーマでも目指す見た目に近づけられます。自分で触ること自体を楽しめる人には、むしろ向いています。
同じ構成のサイトを複数持ちたい場合も、無料テーマなら利用の制限を気にせずに済むことが多くなります。
有料を検討するケース
一方、次の条件では費用を出す価値が出てきます。
早く形にする必要がある場合です。開店や開講の日が決まっているなど、締め切りがあるなら、設定時間の短さがそのまま価値になります。
デザインに自信がない、あるいは触りたくない場合です。用意された見た目をそのまま使えるのは、時間だけでなく判断の負担も減らします。
記事を書く頻度が高い場合です。装飾の部品が整っていると、一記事あたりの作業が短くなります。積み重なると差は大きくなります。
仕事や店舗の看板として使う場合です。見た目の印象が信頼につながる場面では、費用に見合いやすくなります。
分かれ目はどこにあるか
ここまでを一言にまとめます。
分かれ目は機能ではなく時間です。 無料テーマでできないことは意外に少なく、多くの場合は自分で調整すればたどり着けます。有料テーマが売っているのは、その調整にかかる時間と、判断の手間です。時間に余裕があるなら無料で足り、時間を短縮したいなら有料が効きます。
もう一つの分かれ目は、続ける前提があるかどうかです。長く運営するほど、設定の短縮と書きやすさの差は積み上がります。逆に、続くか分からない段階では、その差を回収できません。
有料テーマを買っても解決しないこと
正直に書いておきます。費用を出しても変わらない部分があります。
記事の内容は変わりません。 テーマは器であり、中身は自分で書くものです。読まれない原因が内容にある場合、テーマを変えても結果は変わりません。
表示速度は保証されません。 画像が重ければ遅いままです。多機能なテーマはむしろ読み込みが増えることもあります。速度は画像とプラグインの影響のほうが大きく出ます。
検索順位は上がりません。 価格が順位を決めることはありません。読みやすさや内容の充実のほうが影響します。
設定が不要になるわけではありません。 初期状態のまま使えるとは限らず、自分のサイトに合わせる作業は残ります。デモと同じ見た目にするには、それなりの手順が必要な場合もあります。
使いこなす時間は必要です。 独自の機能が多いほど、覚えることも増えます。買った直後がいちばん時間を使う時期になります。
迷ったときの進め方
結論が出ないときは、順番を決めてしまうのが早道です。
まず無料テーマで公開し、数記事書いてみます。そのうえで「この見た目にしたいのにできない」「この作業が毎回面倒だ」という具体的な不満が出てきたら、それを解決できるかを基準に有料テーマを見ます。不満が具体的であるほど、比較の軸がはっきりし、選ぶのも早くなります。
ただし、記事が増えてから変えると手直しが増えます。切り替えるなら、記事が十数本のうちに判断するのが軽く済む目安です。
有料テーマを候補に入れるときは、購入前に公式サイトのデモを見て、自分が作りたいサイトに近い構成があるかを確かめます。デモにない構成を自分で組み立てることになると、設定時間を短縮するという購入の目的から外れてしまいます。あわせて、更新が続いているか、質問できる場があるかも見ておきます。金額よりも、この二点のほうが長く使ううえでは効いてきます。
まとめ
無料テーマと有料テーマの差は、機能の有無より設定にかかる時間にありました。続けられるか分からない段階や、文章が主役のサイトなら無料で十分です。締め切りがある、デザインに時間を使いたくない、書く頻度が高いという条件がそろったときが、有料を検討する時期です。
よくある質問
- 無料テーマだと検索で不利になりますか。
- テーマの価格が検索順位を直接決めることはありません。読みやすさ、表示の速さ、内容の充実といった要素のほうがはるかに影響します。無料テーマにもこれらに配慮した設計のものはあるため、有料にすれば有利になるという考え方はおすすめしません。
- 最初は無料で始めて、後から有料に変えても大丈夫ですか。
- 問題ありません。よくある進め方です。ただし、記事が増えてから変えると手直しの量が増えます。特にテーマ独自の装飾を多く使っていると、切り替えたときに表示が崩れることがあります。変えるなら記事が少ないうちが軽く済みます。